内間 コエクリン カリン 春美

ペルー

日系スカラーシップ留学体験談~内間さん

どうして日本へ留学しようと思ったのですか?

ペルーでは、口腔衛生に関し多くの課題が残っています。私は自分の専門領域(歯列矯正)を追求し、大学の教員になるため博士学位を取得し、ペルーの口腔衛生を改善したいと望んでいました。日本には、私のキャリアに必要な技術的優位性、素材、そして技能があります。さらに、国際的な発表や、歯科学の知識に貢献する高水準の研究を行うことができます。大学院で学ぶ機会を持つことは、私のキャリアにおける最新の傾向であり、ペルーで学ぶ内容とはまったく違うことを先進国で学ぶことができるため、とても重要です。日本では、キャリアにおける知識を深めるために重要な研究を行う機会が得られるため、もっとたくさんのことを学べるだろうと考えました。ペルーには博士課程があまりいないので、私がたくさん学ぶことがペルーの大学にとっても良いことだと理解していました。また、私は日本で生活し、私の見聞を広めるために彼らの文化や価値についてもっと学びたいと思っていました。

日本での生活はどうでしたか?

日本には、ペルーとはまったく異なる文化、習慣、価値観、そして生活様式があります。当初は、言語だけでなく、他国で一人になること、そして仕事やコミュニケーションの仕方が日本人と非常に異なっていたために、順応するのが大変でした。自己表現が直接的なラテンアメリカ人とは正反対で、非常に異なっているため、日本人とのやりとりを理解することは難しく、順応するのに困難を伴いました。また、当初は大学で患者さんを見るのも難しく感じました。しかし、少しずつ、私は臨床実習と研究の両方で進歩を成し遂げることができました。日本では、価値観や行動が明確ですが、とりわけ、秩序、敬意、責任が、穏やかに生活し日本で多くを学ぶ上で最も重要な側面です。私は大学に順応し慣れることで、自分の専門性の向上だけでなく個人のために、大学の環境を最大限に活用して多くのことを学びました。このような順応と共存のすべてのプロセスにおいて、日本財団日系留学生会(NFSA)の家族を持つことはとても重要であり、私が日本にいた頃の親友とサポートは日本財団日系留学生会(NFSA)から受け取ったものであると言えます。彼らとの分かち合いだけでなく、研修への準備と参加、奨学金のすべての活動は、私に多くのことを教えてくれました。彼らは私をグループに近づけてくれ、日本での生活をより良いものにしてくれました。

どのような勉強・研究をしていましたか?

私は、動物実験を用いた歯科矯正の分野で研究を行いました。私の実験は、鼻閉塞が舌の筋肉組織に与える影響についてのものでした。鼻閉塞による呼吸パターンの変化後の筋肉の特徴、機能、生理および組織を評価しました。このトピックは、口の筋肉組織の変化が歯の位置、咀嚼、発声、呼吸、嚥下などの機能に影響を及ぼすため重要です。この実験では、通常、呼吸器疾患が始まる成長段階に焦点を当てました。この段階では、筋肉の変化が顔面構造の健全な発達を悪化させ、口腔疾患を患者さんに引き起こします。この種の呼吸器疾患患者は、通常、歯科疾患を抱えているので、これらの変化についてさらに理解することが重要です。リマ独特の天候が原因で、この呼吸器疾患はリマ市では非常に一般的です。そのため、これらの呼吸器疾患を研究することは大きな関心事です。

留学を通して、日系人としての意識が変わりましたか?

私はペルーの日系人学校で学んだこともあり、日系人との関係はいつも私のアイデンティティを保つのに役立ちました。私の場合は、母方のペルー人の家族もいて、ペルーで育ったので、そちらの影響もありました。日本に長い間住んで、日本の社会にふれることによって、日本の文化をさらに理解することができました。私の大学には、外国人はほとんどいなかったので、日本人と多くのことを共有することができ、日本社会についてもっと学び、日系人のルーツについてもっと理解することができました。また他国の日系人と共有することで、私たちには共通するものがたくさんあることがわかりました。特にラテンアメリカで育った人たちは、各国の習慣にもかかわらず、日系のラテンアメリカ人としてたくさんのことが共通していることがわかりました。これは、日本との関係や日系人としてのアイデンティティを強くしてくれました。そして、とりわけ、私たちが似たような価値観と習慣を持っていることを知って、私のアイデンティティを成長させてくれました。

卒業後の進路

私は現在ペルーで学んだ大学の歯学部の教授として働いています。私は大学院のプログラム、歯科学修士および博士課程、および歯列矯正学の専門課程で教えています。私は修士および博士課程の一般的な歯科分野の研究プロジェクトの取り組みについて教えています。大学院の矯正歯科学では、臨床実習コースの補佐をしています。ペルーではいまだに研究が十分ではないので、特定分野の研究をしていた日本とは異なり、一般的な歯科学の研究をしています。私がここでやっているアプローチは少し異なっていますが、それは私たちがペルーでの研究を重要視し始めているからです。私たちは大学で一般的な歯科学の研究を行っているため、私はその研究グループを支援しています。現在、私たちが取り組んでいるトピックは、ペルーの古代文明の頭蓋骨形態学の研究です。大学に加えて、私は一般的な歯科医と矯正歯科医としても働いています。

これから留学を考えている人へメッセージを!

日本は、特にラテンアメリカとはライフスタイル、習慣、文化がとても異なる国です。母国から遠く離れて異なった現実の中で生きることは、特に言語の壁がある場合は、最初は難しいことです。加えて、特にその文化について知らない場合は、異なる社会にいて日本人との関係や交流を持つことは、最初は難しいかもしれません。そのため、問題を共有し、日本での経験について学ぶことができる友人関係を持つことがとても重要です。似たような文化を持つ学生であれば、たいてい同じような問題を抱えているため、私にとっては、日本財団日系留学生会(NFSA)のようなグループに属していたことは非常に重要でした。日本での生活に慣れやすいように、お互い支え合ってください。日本語が分からない人は、少なくとも日常生活に役立つ基本的なことがわかるように努力をすることをお勧めします。また、大学生活の他にも、学び、新たな経験を得るためのすべての機会を利用してください。それは、多くのことを学び、視野を広げ、専門分野でも人間的な面でも成長することができる場所であり、すばらしい機会となります。