谷ノ口 洋実
アルゼンチン
日系スカラーシップ留学体験談~谷ノ口さん
どうして日本へ留学しようと思ったのですか?
日本留学は10代の頃からずっと私の夢でした。父の影響で日本の文化と社会に憧れていたからです。また、故郷アルゼンチンで歯学科に入学した際、老年学(第三世代患者の治療)、外科、歯科補綴学、歯科用接着剤など、私が最も関心を持つ分野の多くにおいて日本がどんなに進んでいるかを知りました。そのすべてが、日本留学という夢の実現に向けたさらなる動機づけとなり、実現に役立つ奨学金プログラムを探しました。
日本での生活はどうですか?
私が初めて日本に来たのはJICA奨学金のおかげで、徳島大学でした。滞在中に2つめの奨学金に応募して、東京に行き、1年間日本語学校で学んだ後、東京医科歯科大学に入学することが日本財団によって可能となりました。東京医科歯科大学では現在インプラント・口腔再生医学分野の2年生です。毎日の生活はすばらしく、日系スカラーシップのおかげで、私にとって家族のような存在である日本財団日系留学生会(NFSA)のメンバーにも会えました。私たちは年に4~5回イベントで集まって、最新ニュース、アイデア、プロジェクトを共有するとともに、楽しみながら日本文化について学びます。日本留学のほか、私はミャンマーなど、ほかの国を訪れる機会もありました。ミャンマーでは光栄なことに、日本財団と日本歯科医師会の「Tooth fairy(歯の妖精)」というプロジェクトに歯科医ボランティアとして参加しました。さらに、日本国内およびアメリカ、スペインなど海外でも会議に出席することができました。すべて日系スカラーシップのおかげです。
どのような勉強・研究をしていますか?
私の研究は主にインプラント・口腔再生医学分野です。生活はクリニックでの仕事と研究に分かれます。これまでに骨の幹細胞の培養、動物実験を行う機会があり、現在はインプラントの症例に関するプロジェクトに取り組んでいます。
留学を通して、日系人としての意識が変わりましたか?
来日後、海外日系人大会や、日本に住む出稼ぎの子供たちとの集まりなどのイベントで、世界各地からの多くの日系人を知る機会がありました。こういった経験を通して、ほかの日系人が強いられてきた状況を知りました。私の若い日系人としての責任とアイデンティティーが近年強まってきたことを感じます。
将来の夢は?
日系ユースとしての私の夢は、私が人生で学んできたことのすべてを社会のウェルネスのために活用することです。私の主な目的は、口の健康を改善することによって患者の生活の質を向上させることです。
これから留学を考えている人へメッセージを!
人生は一度だけです。どんなに大きく遠く思える夢でも、最も重要なのは夢見ることをやめないこと、自分を諦めないことです。私は目標を達成するため、これまでたくさんの人の支援と援助を受けてきました。それでも、私を支援しなかった人、私の能力を信じなかった人もいました。自分でも自信がなくなる時もありましたが、最終的にそういった障害を克服したことにより、夢と目標を実現できたのです。日本はすばらしい国で、毎日改めて好きになります。海外日系人協会、日本財団など、私を常に支援してくれたすべての人に対し、言葉だけでは感謝の気持ちを表せません。もっと多くの日系人が来日してこのようなすばらしい経験ができることを望みます。