比嘉 春美

ペルー

日系スカラーシップ留学体験談~比嘉さん

どうして日本へ留学しようと思ったのですか?

私は教育心理学者、そして言語とコミュニケーション障害の専門家として、表現障害と理解障害を持つ子ども達に療育していました。ペルー日系人協会の日秘総合診療所と医療センターで働いていました。
音楽療法は知覚的、認知的、言語的、さらにはコミュニケーションに関する効果があります。リハビリに音楽を用いることによって、療法士・児童間のコミュニケーションが円滑に進むことが実証されています。幼児の発達には、音楽を教える際に旋律を教えるよりリズムを用いることが中心です。 子供の持つ運動能力により様々な音の刺激に敏感に反応する事が出来ます。音楽療法は基本的なコミュニケーション能力の療育の一環として効果的になります。
幼い頃から、日本の教育は音楽を用いて授業をやっていく制度と知られていました。日本と比べると、ペルーは全く音楽の適用は少ないです。

日本での生活はどうですか?

日本に着いてから、日本財団とNFSAの先輩達からサポートがあったので、生活に適応することに問題はありませんでした。1年目は日本語新宿学校で勉強し、日本語の能力の向上に努めました。また、SNGで勉強しつつ、受験の準備をしていました。希望の大学にも通い、先生方とも相談しました。2年目は、大学院に入学し、現在、音楽療法について勉強しています。

どのような勉強・研究をしていますか?

現在、昭和音楽大学大学院で音楽療法を学んでいます。音楽療法は、医療、音楽、心理学、福祉などの領域を学べるカリキュラムが組まれています。音楽療法をより深く学ぶために、修士と学部の授業を履修しています。音楽療法アンサンブル、音楽療法の理論と技法、音楽基礎、保健医療、音楽療法上級実習などの科目を取っています。研究テーマは、音楽療法の効率性と共同注意の関係性です。

留学を通して、日系人としての意識が変わりましたか?

ペルー沖縄県人会で様々文化活動に参加したことがあります。祖先の文化、ウチナーンチューとしてのアイデンティティーを大切にしていました。この奨学金で日系アイデンティティーを強めることができました。そして、以前よりもペルーと日本の文化を重んじるようになりました。

将来の夢は?

帰国後、日本で学んだ知識と経験で音楽療法プログラムを用い、自閉症児における言語障害の療育に役立てるという目標があります。そして、同じく障害児を対象とする職場の専門家や 他の医療機関でこの支援方法を共有していくつもりです。そして、ペルーと日本の架け橋としてペルーと日系コミュニティに貢献したいです

これから留学を考えている人へメッセージを!

この素晴らしい日本財団の奨学金をぜひ活用して、自分がやりたいこと、望んでいることを叶えてください。諦めないで、前に進み、夢を叶えるまで頑張ってください。この奨学金では、いろいろな経験をすることができ、違う価値観、経験や思想が持っている人たちと出会えることができます。そして、日系アイデンティティーを強めることができ、日本文化を体感することができます。