河野 カリナ みどり

ブラジル

日系スカラーシップ留学体験談~河野さん

どうして日本へ留学しようと思ったのですか?

日系人なので子供のときから日本という国について親や祖父母からいつも聞いていました。日本に留学することができることを知り、子供のときからの私の夢となりました。すると、ブラジルから遠く離れている日本にいつか行ってみたいという気持ちが芽生えてきました。

日本での生活はどうですか?

博士課程での勉強や研究がとても大変ですが、子供のときからの夢だった日本に留学することが実現できて、とても嬉しいです。日系スカラーシップでは年に4回研修があり、そのときにNFSAの他の留学生と交流ができ、さまざまな活動を通して日本についてももう少し理解することもできますので、研究以外にも色々体験したり学んだりする機会があります。

どのような勉強・研究をしていますか?

山口大学大学院共同獣医学研究科の博士課程で魚の粘液胞子虫という寄生虫の研究をしています。粘液胞子虫の多くの種は病害性がありませんが、病害性があり、養殖業で問題となっている粘液胞子虫があります。まだ有効な駆虫薬やワクチンが開発されていなく、多くの種の生活環も解明されていないため、対策が難しいです。予防対策には生活環に関する知見が必須なので粘液胞子虫病の対策が進んでいません。そこで、粘液胞子虫病対策の基盤的な知見を得るために、粘液胞子虫の研究をしています。

留学を通して、日系人としての意識が変わりましたか?

ブラジルでは日本人だと言われますが、日本に来たら外国人だということに最初は少し複雑な気持ちがありました。留学を通して自分が日系人であることにより楽観的になりました。

魚を養殖すると病気が発生します。まだ治療や予防がない病気が沢山ありますし、新しく発生する病気もあります。養殖場で病気が発生すると大きな経済損失をもたらしますので、魚病の研究はとても重要です。また、研究で魚病の治療や予防方法が開発されると、より安全な食料が消費者に届きます。そのため、私の将来の夢は魚病に関わる仕事をすることです。

これから留学を考えている人へメッセージを!

留学は楽しいことばかりではありませんが、楽しいことも沢山あります。勉強や研究以外にも色々体験できますので、とてもいい経験になります。留学を考えているなら、チャレンジするべきだと思います。