皆さんこんにちは、

今回はドイツ出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒターの展示を観に友達と美術館へ行ってきました。

フォト・ペインティングからカラーチャート、グレイ・ペインティング、アブストラクト・ペインティング、オイル・オン・フォト、そして最新作のドローイングまで、リヒターがこれまで取り組んできた多種多様な作品、約120点が展示されていました。

その中でも、幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画『ビルケナウ』は、ホロコーストを主題としており、近年の重要作品とみなされています。出品作品のなかでも最大級の絵画作品であり、この度日本で初めて公開された、本展覧会の目玉とのことでした。実際に観てみると数値以上に大きく感じ、隣に展示されていた、当時のドイツの写真と合わせて観ると、想像の域を超えませんが、いかに苦しくて、灰色の時代だったのかを考えさせられました。

次に目を引いたのが、フォト・ペインティングシリーズです。最初はボケた写真かなと思って観ていたら、写真のように忠実に描かれた絵画作品で、どうやってこの表現をしているのだろうと思って調べてみたら、そのボケは刷毛で表面を擦ることで生じたものだとわかりました。リアルに忠実な作品は今までも何度も見てきましたが、なぜこれまでに目を引かれたのかを考えてみたら、そのボケがあることで演出されている写真っぽさなのではないかと思いました。

この展覧会は様々な技法を用いた作品がかなりの点数揃っていて、見ごたえがありました。抽象的な作品もどう観ればいいのかわからず、積極的に観に行くことは少なかったのですが、今回の展覧会で、あまり身構えず自分の感性のままにみるのも一つの楽しみ方だとわかりました。

１６期生

ブラジル

キヨユキ