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留学生会からのお知らせ

学期の終わり

こんにちは。

NFSA 18期生、アウグストです。

この二学期の終わりはとても激しかった。

研究室や個人的なプロジェクトに加えて、「災害と再定住」に関する本の章を寄稿しています。

最近、2023年度京都大学/GSGES ガイドブックのエッセイを書くよう招待されました。執筆に選ばれたのは、プログラム内の 2 人の学生だけのようです。

そのエッセイ(新入生へのメッセージ)をこのブログでシェアしたいと思います。

日本語訳は次のようになります。

地球環境学専攻 人間環境設計論分野 修士課程

アウグスト セザル オオヤマ

このエッセイでは、この島国に身を置き、希望あふれる留学生活を体験することで感化されたいとお考えの皆さん、あるいは留学を検討中の皆さんに、私が地球環境学堂・学舎(GSGES)を選ぶに至った理由として、表には見えない、親和性をもった2つの事柄について述べたいと思います。1つ目は、われわれの再構築された過去――個人のものであると同時に集団的でもあります――とは苦難から逃れるための場ではなく、抗う理由の源泉であるということです。2つ目として、すべてのものの始まりは、自分から最も遠いものに帰属していたい、何らかの外力(アイデア、プロジェクト、夢)でつながり留め置かれたい、それら外力に正当性を与え具現化しうる行為を想像し実行したいという思いを持つことにあるのかもしれないということです。

これら「挑発」 の1つ目に関しては、GSGES人間環境設計論分野で体験することが可能な数多くのこと(その激しさ故に言葉で語ることがとりわけ不可能な体験)を前にしたとき、この場所に身を置き感化されると決心することによって、私たちの中に自己との対話の扉が開くのだと思います。京都大学GSGESでは、同じような感性を持ち、同じような問いかけをする仲間を見つけることができます。そうして仲間と共に過ごすことで、知識のフロンティアは次第に薄まっていきます

例えば私の研究は、ブラジルと日本における土地および家屋所有権の侵害に関する一連の状況を照らし出し、それらの重要性を明らかにすることを目指しています。問題を読み解くカギ として、都市部への大規模な介入に関わるような災害に目を向けます。私は、こうした複雑な現実を背景に登場した日本や中南米、欧州の組織や集団と出会うことができました。こうした密度の濃い出会いは、特に京都大学GSGESという共通の場所(ただしここだけではありません)で経験したプログラム、コース、日々の生活の後押しによりいっそう加速しました。

2つ目の「挑発」に関して私にできるのは小さなことですが、私たちが見失いがちだと思うことをお伝えしたいと思います。それは、私たちが活動を行ういかなる場所においても自身の社会的責任を位置づけることはすべての基本であり、こうした責任(個人の努力に委ねられるものではあるが常に集団としての性格を帯びる)こそが夢を前に進める原動力になるということです。GSGES、そして京都大学の活気溢れる研究環境を活かすこと、さらには自分たちの判断を正当ととらえ、体験を体系化し、それを伝えることは、私たちが取り組む社会プロジェクトにも、また今後GSGESで学ぶ皆さんにも、何らかの形で道を拓くものです。結局のところ、こうした複数の物語を反響させ交換しあうことにすべての意味があるのです。